ce64257c.gif
 『バットマン ビギンズ』を見て思ったのだけれど、クリストファー・ノーラン監督があと2、3作このシリーズを手がけるなら、アンドリュー・ヴァクスの小説『バットマン究極の悪』を映画化したらいいかも知んないという事だ。
 ヴァクス版では、児童虐待の実体の悲惨さに気づいたバットマンが、児童売春ツアーで外貨を稼いでいる東南アジアの某国(モデルはあきらかにタイ)に単身なぐり込み反政府運動を援助しつつ児童売春組織を壊滅させるというような話の内容が展開される。
 ヴァクスは<バーク>シリーズで有名なハードボイルド作家。特に児童虐待撲滅の為に小説を書いているような人物でもある。従って彼の作品はエンターテインメントを持つものの決して読後感が爽やかというものではない。
 この『究極の悪』もハッピーエンドで終わるような作品ではなく、ゴッサムシティに帰って来たバットマンが「自分の国」にも児童虐待という『究極の悪』が蔓延っているのを見て再び戦いの決意を固めなおす所で終わる。
 『バットマン ビギンズ』を撮っている間のノーラン監督のかけ声は終始「リアルで行こう」だったと聞く。確かにバットマンがいかにして「悪」と対峙する姿勢を身につけていったかが良く判る作品に仕上がっている。是非ともこの監督に『究極の悪』を手がけて欲しいものだ。

 さてこの『究極の悪』の原題だけどこれは『BATMAN : THE ULTIMATE EVIL』となる。EVILつまり「悪」。戦争でも殺人でも強盗でもテロでもなく、何故、児童虐待が『究極の悪』なのだろうかということである。逆に言えば「悪」とはなにかである。

<米兵わいせつ>女児の写真を携帯電話で撮影
 7月4日、沖縄市で小5の女児(10)が米兵に胸を触られた事件で、強制わいせつ容疑で逮捕された米空軍嘉手納基地所属の2等軍曹、アルマンド・バルデス容疑者(27)は女児のシャツをたくし上げた写真をカメラ付き携帯電話で撮影していたことが沖縄署の調べでわかった。
 沖縄署によると、3日午前にバルデス容疑者が事件現場近くの路上で任意同行された際、携帯電話に、シャツをたくし上げた姿の女児の写真が残っていた。女児も「怖かった。カメラで撮られた」と話しているという。
 
<人身売買>タイ人少女売り渡した日本人ら2人逮捕

 タイ人の少女(16)を売春あっせん業者に売り渡したなどとして、警視庁少年育成課と荻窪署などは7月4日、タイ国籍の神奈川県愛川町中津、ホステス、ピンゲーウ・グリッサニー(24)▽東京都日野市旭が丘4、会社員、白鳥清(65)の両容疑者を児童買春禁止法違反(買春目的人身売買)の疑いなどで逮捕したと発表した。背後に外国人少女を売買する組織があるとみて調べている。
 調べでは、ピンゲーウ容疑者は02年10月、タイ国内で買い受けた同国籍の当時13歳の少女を日本国内に入国させ、新宿区内のファストフード店で、同国籍の売春ブローカーの女に230万円で引き渡した疑い。白鳥容疑者は昨年1月、少女を埼玉県川越市の自営業の男(68)に紹介し、群馬県水上町のホテルで6万円で売春させた疑い。ピンゲーウ容疑者は容疑を認めているが、白鳥容疑者は否認している。
 少女は02年10月、家族を装った男女数人とともに米国、ブラジル経由で成田空港から入国。そのまま別の男女に引き渡され、昨年6月に不法在留で強制退去されるまで、都内や千葉、群馬、栃木県などで、1回2万円前後で約200人を相手に売春させられていた。少女は毎月3万円を実家に仕送りした以外は、白鳥容疑者らブローカーに取り上げられていたという。
 ピンゲーウ容疑者は「01年以降、10回前後、10人以上の外国人の女性を人身売買した」と供述しており、同課で余罪を追及している。

 「悪」とは命の搾取であり、命の辱めであると思える。それが抵抗する力のない幼い命に向かった時、「究極」と呼ばれるのだろう。
 そして「悪」は様々な顔を持っている。後進国・戦後の爪痕を引きずらざるを得ない沖縄。そして腐臭が漂いはじめた日本。・・・そして私という個人。

 <「闇の職安」で少女募集> 風俗店長ら逮捕

 匿名で応募できるインターネットの求人サイト「闇の職業安定所」で少女らを募集、売春契約を結んだとして、神奈川県警少年捜査課などは4日までに、売春防止法違反の疑いで風俗店店長久保田信洋容疑者(25)=東京都渋谷区円山町=と、元店長工藤貴志容疑者(30)=杉並区和泉=を逮捕した。
 2人はサイトで「10代集合、高収入、大人の付き合い」などと宣伝。「高校生コース」や「中学生コース」を設け、応募した少女らに売春をあっせんしていたという。少年捜査課などは、年間約1億円の収益を上げていたとみて追及する。
続きを読む

 町山智浩アメリカ日記で、今年のアカデミー賞で最優秀ドキュメンタリーに選ばれた“Born Into Brothels(売春窟に生まれついて): ”の映画レビューが掲載されています。どうやら今の所、日本での公開がなさそうです。
 日本のメディア資本もエンターテインメント性を追求するだけでなく、一方で、こういった映画に投資をしていかないといつか自重で圧死するはめになるのではないかと、、。