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 ヤッターマンのドロンジョが好きだ。ボヤッキーにトンズラーというドジなM男達を引き連れるコスチュームからしてベタベタなSM女王ドロンジョ様。
 このドロンジョ様の実写版を見た。てか正確に言うと「美少女フィギュア04」ってタイトルの際物エロビデオに登場するアニメパクリキャラなんだけどね。

 通常なら年始年末のこの時期は、どこかへ旅行に出かけている頃なんだけれど、今年はお仕事の関係で動けなくなって中途半端な暇を持て余しているのだ。(本場の上海ガニが食べたかったよ?)
 そんなこんなで弟のマンションの大掃除でも手伝ってあげようと出向いた際に遭遇したのがこのビデオなのだ。
 お掃除があらかた済んでくつろいでいたら例によって弟のJが持ち出してきたのが、不思議なパッケージジャケットのエロビデオ。なんとジャケ写真は似非綾波のきぐるみヘッドを被った巨乳のレオタ女。
「へぇ?なんなんだよ、コレ?オタク専用?Jってこんなの趣味だった?」
「んな筈ない。バーゲンちゅうか投げ売りで無茶苦茶安かったからどんなもんか試しに買うて来た。正価で1万円が千円、笑うで、よっぽど売れへんのやろな。でも結構おもろいで。見る?」
「見るっ見る!!あっとビールね。あてはなんでもいいや。」

 1時間少々楽しませて頂きました。初めは蝦頭で展開してる「オタク考」のネタになればって思ってたんだけど、美少女フィギュアなんて名乗っている割にはノリが完全におふざけ路線で、映画で言うところの「B級」ティスト。b37852fe.jpg

 テレビアニメってど真ん中にCMが流れるんだけど、もう一度本編に入る前にカットタイトルみたいなのが挿入される事があるじゃない。あれをわざわざ入れてみたり、魔法使いサリーのパパ・ママに激似のキャラの登場とかポアントリンとか「ああテレビで見たことある?」っ場面が多いのね。
 それと偽ボヤッキー&トンズラーの堂に入った演技下手さかげん、他の出演者の演技も全員、文化祭レベル以下だけどこの二人は確信犯的。たぶん、自分たちが演技できないのにビデオに出てるって状況を楽しんでいるんだと思う。だってこの二人の目つきは完全に「すれた大人」なんだもん。
 とにかく全編、制作スタッフ達が自分たちが見て育ってきたテレビアニメの世界への思い入れとエロビデオ撮影現場のノリで楽しみまくっているのが伝わって来て気持ちがイイ。
 だからこのビデオ、着ぐるみヘッドフェチの人だとか美少女フィギュアフェチの人には「????」って感じじゃないかな。

 『遠からずもアタラズ?』『痒いところに手が届かない?』って奴?

 確かに、着ぐるみヘッドの首の切れ目と「中の人」であるAV女優さんの生々しい首の質感の差だとか、(時にはうなじの後れ毛がヘッドの切れ目から覗いたりして)は、chikaにも感じる部分があるんだけど、それが着ぐるみフェチの人達の欲望の公約数なのかはちょっと判らないですねぇ、、。
 個人的には偽ドロンジョが偽綾波の着ぐるみヘッドの顔の表面をいやらしく真っ赤な舌でベローンと舐め上げるシーンは唾の匂いがしそうで大好きなんだけど、これもどうなんだろ?

 それでも一つだけ再認識した事がある。フェチは人の数だけ存在するとは言うけれど、その半分以上は、マスメディアによって醸造されているっていう事実だ。
 アフリカの村社会やチベット高原のパオにイコンとしてのドロンジョ様が入り込むにはまだもう少し時間がかかるのかも知れない。

PS 12月30日(木)8時17分朝 「奈良の女児殺害事件、36歳男から事情聴取」のニュース。事情聴取という事だからまだ分かんないけど、年を越えなくて良かった。普段「お正月って何がめでたいのさ」っていう人だけど、こういうのだけは、やっぱりそう思う。