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 DVDのパッケージ写真に載っているアン・ジェウクの女装姿が綺麗だったので思わず『チム あこがれの人』を借りてしまいました。
 映画の内容を要約すると「幼なじみの友人の姉チェヨンに思いをよせるジュンヒョク。しかしチェヨンには子ども扱いされて異性としてのつき合いが出来ない。日々悶々と過ごす彼なのだが、更に最悪なことにふとした弾みで彼女とは絶縁状態になってしまう。せめてチェヨンの側にいたいと考え抜いた結果、彼が取った行動は女装して彼女の女友達になることだった。この作戦は見事に成功し女に化けたジュンヒョクはチェヨンの信頼まで勝ち取ることが出来たのだが…。」って感じのラブコメディなんです。
 映画としては手堅くまとめられていて現代韓国映画らしくしっかり泣かせてくれます。

 ・・まあ、ここからがフェチブログの本番。さて主人公のジュンヒョクを演じるアン・ジェウクの化けっぷりなんですが、一言で言ってビミョーですね。
 勿論、彼が女装姿でスクリーンに登場する時間って、男姿の半分以上ある訳ですから、その女装に「グロ・不潔感」は全然ありません。
 でもメイクの仕方なんでしょうね、かなり京本政樹入ってます。しかしこれは他の女優陣のメイクも、おしなべて「濃い目」なのでアン・ジェウクに施されたメイクだけが「特別」ということではないようです。この手の女装シーンのある映画を見ていつも思うのはハリウッド映画のメイク技術の高さですね。ハリウッドの女装メイクの場合は、単に綺麗に見せる「化粧」というのではなくて、CGとかSFXとかの技術の高水準さを支える「リアルさへの指向性」と同じ根っこがあるような気がします。
 アン・ジェウクの女装メイクで一番気になったのがひげ剃り後のカバーです。室内ではそれ程気にならないんですが、日中の野外ではどうしても影の出る口元に目がいってしまう。彼の場合、目元が不自然なくらい綺麗に出来ているので口元との落差も大きいんですよね。(髭って本気で女になりたければ、もちろんそれなりの手だてはありますが一俳優であるアン・ジェウクの手の届く範囲じゃないから仕方ないし、ある意味、これがあるから映画を見てる観客だって「安心」出来るのかも)
 そうそう、一つ時代がずれてるんじゃないかと思えるメイクの割に、ラテックス仕様の人工乳房の脱着シーンがごく自然に登場するのはとても面白いです。
 
 映画自体は堅実な出来と最初に書きましたが、「女装」ネタのコメディも随所に出てきます。
 喫茶店でスカートの奥をちらちらとのぞき見して来る男性客を、脚を組み替えて誘惑したあげく最後に大股広げて、驚かせてみせるとか、たまたま訪れて来た叔父に女装用品を見つけられて「男に誘惑された結果、女装趣味に走ってしまった甥」と勘違いされてみたり、、うーんこれらのネタって「健康」過ぎて、本気の女装子にしてみればちょっとムカっとするかもです。
 chikaがありっ?って感じで複雑な気分になったのは、主人公が恋敵の男に鬘をむしり取りながら「オマエなんかに好きな女の為に女になった男の気持ちなんてわかんねぇだろーなっ!!」と吼える場面。まあ深く突っ込むような映画じゃないんで、思考ボタンは押さずにおきましたが。


PS この映画の「裏読み」部分で気になるのが、主人公の先輩にあたる小太りのメークアップアーテイストの存在。役所は主人公の悩みを常に聞いてやり励ましてやる「頼れる叔父さん」って立場で、初めて主人公に女装の手ほどきをしてやるのが彼なんですが、、この人の雰囲気が微妙なんですよね。
 一目でゲイっていう感じではないんだけど、彼が化粧台の前に座った主人公の肩の上に両手を置いてるシーンなんか「濃密」というか、、、。まあ気になる方は一度、ごらんあれ
 最近、blogでは物珍しさが手伝ってか一般の方が「タグ」をよく取り上げられています。chika的には佐藤朋未様の「取り扱い」説明書が一番(図版的にも)デリシャスかと、、もう少しSFXを効かせた女装をご所望の貴兄にお勧めいたします。