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 江川達也の「家畜人ヤプー(4)」を書店で見かけて思わず初巻を除く(2)(3)の2冊を購入した。初巻はずっと前にネット上の「江川達也が、あの家畜人ヤプーを描く」の情報につられて即日購入したのだが、あまりにも「説明過多の原作」に忠実だったので、少し勢いが削がれていた。
 江川達也の絵柄は、以前ヤプーを漫画化した石ノ森章太郎氏よりも好きなのだが、原作に忠実すぎるとなると、、(ウザイ・ムズイ)、、、強い思い入れに繋がらなくて「機会があれば買えばいいや」って感じで今まで流れて来たのだ。
 もちろんこういう漫画だからあらゆる書店に在庫があるわけではなく、、少なくともchikaの身近な書店では続巻はまったく見あたらなくて新刊が出ていることすら意識になかったのだ、、。
 第四巻は意図的に買い残してある。江川版ヤプーが「面白く」なっていたら「美味しいものは後から食べる」派のchikaとしては楽しみを後に残したいからだ。
 残念ながら江川達也氏は未だに原作通り忠実に「解説」を延々と漫画化していた。これでは最新刊を是が非でもという気持ちにはならない。氏の描く女性は思いきり官能的なのに残念なことだ。(第2巻の最終ページあたり、クララが「性転換遊び」で神経接合の仮男根を付けて女達と遊ぶ描写や、麟一郎の口を犯すシーン等はいかにも江川氏らしい。)石ノ森版ヤプーでは「解説」部分はもっとあっさりしていたのに、、。

 「家畜人ヤプー」は、伝説的マニア誌『奇譚クラブ』に1956年から連載されたマゾヒズム小説で、ドイツ人の恋人(クララ・フォン・コトヴィッツ)とともに2000年後の未来へ連れ去られた日本人青年(瀬部麟一郎)がたどる数奇な運命を描いたもの。
 快楽の超SM文明を「解説」する奇想が延々と展開されるのがミソと言えばミソなのだが、これに文明論が加わって、その手のくどさが嫌いな人には、なかなか手強い小説なのだ。(chikaも一応は読み通したのだが、ほとんど内容は頭の中に残っていない。)
 ただ沼正三氏の、それまで現人神のもと神州男児として教育を受け続けてきた日本男子に訪れた敗戦後のパラダイム・チェンジに対する思い。そして、目の前で繰り広げられる占領軍(白人)による開放政策のもと、日本人がどんどん変質していく有様を見る中で、この「家畜人ヤプー」を書いたということだけは、最近、妙に身に沁みるのだ。
 もちろんそうさせるのはアメリカ追随の小泉政権であり、その小泉政権とコインの裏表の関係にある石原都知事を代表とする右翼思想の台頭があるからだ。
 『ヤプーは日本人のなれの果てであり、かつての日本列島には「邪蛮(ジャバン)」と呼ばれるヤプーの国が存在していた。ヤプーの間では宗教教育の結果、白神信仰が浸透していて、その始祖こそ天照大神ことアンナ・テラスであった。』・・・沼正三氏はかって「この作品は政治的・歴史的な目的の為に書かれたものではない」と何処かに書いていたような気がするのだが、計らずしも新世紀を迎えて間もないこの日本では、もう一度、新たな視点で読み直されても良い作品になって来たのかも知れない。

 ・・とか桃色の微々たるシュリンプヘッドで小難しい事を考えている内に、メールが送られて来た。

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 マッチョな外国のSex Slaveが極東の変態小娘に焦がれているらしい。白人女性クララ・フォン・コトヴィッツはイエロー麟一郎を裏切ったが、chikaは初めからマスターとして君臨できるのだ。世界はまだ変わる。